より充実したFX投資生活を送れるように、前節では「為替 とは何か」という基本的な知識を得るための情報を紹介しました。 ここでは、その知識をベースとして、どのような要因が 為替を動かすのかを見ていきます。

実際にFX投資を行っていると、様々なニュースの中で、これらの要 因は、断片的に紹介されています。しかし、全体的にどんな要因が あるのか、どのような影響力を持っているのか、という体系的な理 解をもってFX投資をされている方は少なく、それらのニュースを見 たり聞いたりしても、あまり実感が湧かないとうのが一般的な状況 です。

これらの要因に関して、全体的にまとまった情報を提供しているサ イトは見あたらず、ほとんどは、いきなりFX投資に直結している情 報だけを提供しているようです。そこで、このサイトでは、これら の要因をまとめてリストアップし、それぞれに付いての説明を私な りの理解で書いてみました。一通り目を通していただければ、ある 程度の体系的な理解を得ていただけるのではないかと思います。

それでは、具体的に、それらの要因を見ていきましょう。

有事と為替

有事のドル買い、という言葉を聞いたことがありますか。戦争やテ ロが勃発したときには、ドルが積極的に買われるという意味です。 これは本当なのでしょうか。

いろいろとデータを調べてみた限りでは、これは、一概に正しいと は言えないことがわかりました。最近のケースでは、イラク戦争、 湾岸戦争、世界同時テロなど、様々な状況の違うケースをみてみる と、1週間程度の短期間で見るとドルは上がる傾向があるようです が、1ヶ月たつと逆に下がる傾向が見られたりしています。

つまり、瞬間的には、世界最大の経済と世界最強の軍隊を持ってい る米国のドルに期待して、安全資産としての有事のドル買いが発生 するようですが、だんだん落ち着きを取り戻してくると、その時の ファンダメンタルを反映した内容に収束していくと理解した方が良 さそうです。

したがって、FX投資を行う際には、有事は短期的にドルを 押し上げる効果があるという理解をもちつつも、あまり踊らされ ず、その時での米国の経済や金利などのファンダメンタルがしっか りしているかどうかを意識した投資スタンスを維持した方が良いと いうことです。

株価と為替

株式と為替の関係はどうなっているのでしょうか。FX投資 を行っている方にとっては、非常に興味のある話題です。 株式投資ブームが起きてから、外国人投資家という言葉 を良く聞きます。なぜかというと、日本の株式投資において、外国 人投資家のしめる割合が高いからです。影響力が大きいのです。

米国の投資家が日本株を買おうとすると、ドルを売って円を買い、 そして日本の株式に投資します。つまり、為替が間に介在している のです。そして、多量に日本株を購入する場合は、ドル安円高を引 き起こすわけです。

逆に、日本の投資家が、米国株式に投資する場合は、ドルを買って 米国株式を購入します。ここで、為替が介在して、ドル高円安を引 き起こします。

しかし、現実の株式の動きはもっと複雑で、その時点で世界の資金 がどこに集中しているか、米国株式の状況、各国の金利政策など、 実に様々な要因によって株式市場は動いています。

したがって、上記で説明した通りに株価と為替が動くとは限りませ ん。実際に、株高円安が起きたりします。株式市場は、為替にとっ て、ファンダメンタルの一つであることは間違いないのですが、残 念ながら、単純に一筋縄の理解では済みそうにありません。

金利と為替

FX投資を行っていると、金利変動は避けては通れない重要 な要素です。ここで言っている金利とは、短期金利のこ とを指していますが、金利には、短期金利と長期金利の二つがあり ます。

短期金利
原則としてい年以下。 日銀が金融政策として使う無担保コールは、翌日までの超短期金利 である。
長期金利
原則として1年以上(~30年国際)
一般には10年物の国債利回りを指すことが多い。
中期金利
金利を短期と長期に分ける場合は、1年が境となる。しかし、国債 には、2年から6年の中期国債と呼ばれるものもある。為替を議論す るときは、これらには言及されない。

短期金利

為替やFX投資で短期金利が話題となるのはなぜでしょう か。それは、各国が金融政策を行う際、短期金利を操作 するほうが、日々の資金繰りに影響をあたえて景気誘導しやすいか らと言われています。

日本では、もう何年もゼロ金利が続いています。最近、僅かに金利 が上がりましたが、諸外国との比較という意味では、ゼロ金利に近 い状態が続いています。

金利の理解は比較的簡単です。原則として、短期金利が上がれば通 貨高となり、短期金利が下がれば通貨安となります。ファンダメン タル的な説明を加えるとするならば、利上げは、景気が回復してそ れが加熱しそうなときにインフレ予防のために行われます。そのた め、金利政策が利上げを行うと言うことは、更なる景気の堅調を予 想している、と解釈して通貨高になるわけです。

長期金利

長期金利は、各国の金融政策としてはあまり使われません。それ は、短期金利のように、日々の資金繰りに影響するものではないた め、金融に関する経済活動を誘導しにくいためです。長期金利は、 財政収支や将来のインフレ期待などに影響します。したがって、 FX投資家にとっては、直接関係することは少ない考えて良 いかと思います。

長期金利も、短期金利と同様に、原則としては、超金利が上がれ ば、海外から高い金利水準を目当てにお金が集まってくるので、通 貨高となります。

しかし、ここ数年の動きとしては、日米の長期金利は下がり続けて います。生命保険会社など、長期に運用する会社では、米国の長期 金利に期待して投資を行っていた時代もあったのですが、米国の超 金利もかなり下がっているため、その魅力は相当減ってしまったと 言えます。