今回のテーマは「下落率と変動率」についてです。

今週(の為替相場は大幅な円高、株式相場も各国相場で大幅な株安となりました。
今回の為替相場の円高について、今週末までのデータで各通貨ペアごとに下落率を見てみます。
下落前の高値と、下落後の安値から下落率を算出します。

下落率={1-(下落後の安値)÷(下落前の高値)}×100

この式からから、下落後の安値が下落前の高値からみてどれだけ下落したかが分かります。

USD/JPY  高値 124.17 安値 111.50下落率 10.2%

EUR/JPY  高値 168.92 安値 149.17下落率 11.6%

GBP/JPY  高値 251.12 安値 219.16下落率 12.7%

AUD/JPY  高値 107.66 安値  85.96下落率 20.1%

NZD/JPY  高値  97.74 安値  74.21 下落率 24.0%

CAD/JPY  高値 118.20 安値 103.35下落率 12.6%

CHF/JPY  高値 101.86 安値  92.12 下落率 9.56%

ZAR/JPY  高値  17.80 安値  14.69 下落率 16.2%

これを見るとUSD/JPYとCHF/JPYの下落率が低く、NZD/JPYやAUD/JPYの下落率が高いことがわかります。下落幅はGBP/JPY最も高いですが下落率でいうと上記のようになります。

これらの通貨ペアごとの下落率は過去のデータから計算した変動率と高い相関があります。

以下は私が2002/4~2007/4年の5年間の各通貨ペアのデータをもとに算出した変動率の目安です。わかりやすいようにUSD/JPYの変動率を1とした時の数値に変換してあります。

USD/JPY :1

EUR/JPY :1.293

GBP/JPY :1.089

AUD/JPY :1.572

NZD/JPY :1.690

CAD/JPY :1.305

CHF/JPY :0.893

ZAR/JPY :1.918

これをみると変動しにくい順に
CHF/JPY<USD/JPY<GBP/JPY<EUR/JPY<CAD/JPY<AUD/JPY <NZD/JPY<ZAR/JPY

今回の円高局面での下落率を見ると、下落率が低い順に

CHF/JPY<USD/JPY<EUR/JPY<CAD/JPY<GBP/JPY<ZAR/JPY <AUD/JPY<NZD/JPY

順番は若干異なりますが、下落率の数値を変動率の数値を比較すると非常に相関が高いのが分かります。

つまり通貨の変動率は過去のレートデータからある程度は推測できるものなのです。過去のデータから将来の動きを予測するのは相場では有効な手段です。

今回の下落局面で気になるのはオセアニア2通貨は過去5年の動きよりも激しく下落しておりZAR/JPYは過去5年の動きよりも穏やかになっていることです。

これは今回の下落局面に限った事象なのか今後このような傾向が続くのかが非常に大切なところです。

私は5年前の南アフリカランドと現在の南アフリカランドを比べると、かなり通貨の特色が変化したと考えています。

それは個人投資家がZAR投資をしやすい環境が整ったということが背景にあります。

5年前、ZARに投資している投資家はほとんどいませんでしたが、現在は取引業者が非常に安い手数料で我々に投資機会を提供していること、またZARの政策金利がいまだ上昇局面にあり非常に高金利通貨として人気が高いことから、投資マネーが南アフリカランドに流入しやすい状況がそろっているのです。

この通貨の特色の変化には今後注目していきたいと思っています。

変動率の考え方はスワップポイントにも関係する考え方です。

USDは政策金利5.25%、NZDは政策金利8.50%ですが、今回のようUSD/JPYの下落に比べてNZD/JPYは2倍下落することを勘案すると、政策金利が高い方がスワップが魅力的とは言えません。変動率が低くスワップの高い通貨、これがスワップを受け取るうえでは魅力的と言えます。