今回のテーマは通貨の特徴解説シリーズの続編で「ユーロ(EUR)」について取り上げます。EURは99年に発足した新しい通貨で、今では欧州連合27か国中15か国が公式に採用している単一通貨に成長し、欧州圏を代表する通貨になりました。

取引量、信用度などを見た場合に世界的に見ても米ドルに続く第二の基軸通貨として考えられています。

ユーロの特徴として代表的なものを挙げてみます。

(1)米ドルと並ぶ基軸通貨,米ドルのリスク回避通貨としての性質

(2)ユーロ新規参加の増加など政治的な影響を受ける通貨

(3)平均的・安定的なボラティリティ・金利推移

(4)近隣にペッグ制採用国を多く抱える

(1) ユーロは1999年に誕生し現在はEU(欧州連合)に加盟している25カ国のうち、13カ国がユーロ導入しています。ゆえにユーロ圏の経済を支える基軸通

貨として機能していることはもちろん、世界的に見ても米ドルに並ぶ基軸通貨としての位置づけになりつつあります。世界の中央銀行の外貨準備率もユーロの割合が増大傾向にあり、IMFのデータでは世界の中央銀行の約2割弱がユーロで占められています。

ユーロの国際化が進む中で米ドルのリスク回避通貨としての役割も高まっています。2007年のサブプライムローン時もドル売りが進んだことでユーロに資金が移動し結果大幅なユーロ高が進みました。

(2) 現在、ユーロに参加しているのは、オーストリア、ベルギー、キプロス、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ルクセンブルグ、マルタ、オランダ、ポルトガル、スロベニア、スペインの15か国で、EU加盟国の中でもイギリスとスウェーデン、デンマークなどは、自国のポンド、スウェーデン・クローナ、デンマーク・クローネを使用しています。また、デンマーク、スロバキア、リトアニア、ラトビア、エストニアなどは将来的にユーロ導入を目指す国として経済情勢などが注目されています。

これはユーロを正式に導入するには、インフレ率、長期金利、財政収支などEC定める基準を満たす必要があるため現状は未加盟になっています。

イギリスやスウェーデンなどは経済規模などではデンマーク、スロバキアに比べてユーロ導入に近い存在ではありますがユーロ参加にあたって自国の国民投票が行われたり、政治的な側面も併せ持っています。

これらのユーロ導入などをめぐる政治的な動向などで大きく通貨が動くことがあるのも新しい通貨であるユーロの特徴の1つです

(3)ユーロの変動率は主要通貨の中では平均的な位置づけになります。

対円で見るとスイスフランよりはボラティリティが高くオセアニア通貨・南アフリカランドなどよりは低く、米ドルなどと同じボラティリティのレベルになります。

金利に関しても平均的で、2000年以降は2%~4.75%の中で推移しています。

(4) ユーロはその規模ゆえ経済の安定を求めてユーロに通貨をペッグする国が多いのも特徴です。

ユーロペッグ制を導入するのはデンマーク、スロバキア、リトアニア、ラトビア、エストニアなどがあります。

ペッグ制は基本的に規模の大きい通貨に自国通貨を連動させることで経済を安定させることが目的ですのでユーロのペッグ制導入国の増加はユーロ圏全体の経済成長を映しているとも言えます。

これはドルに通貨をペッグする国が多いのと同じ理由になります。ペッグ制に関してはコチラ のUSD/HKDの記事の中でも解説しています。