今回テーマは通貨の特徴解説シリーズの続編で「人民元(CNY)」について取り上げます。

人民元はFXの主要通貨と比較した場合に非常に変則的な通貨政策の歴史を辿っています。
人民元という通貨を知るにあたり、まず2005年以降の人民元改革について理解する必要があります。

人民元改革とは人民元切り上げとも呼ばれますが、具体的には2005年7月より変動相場制・通貨バスケット制を導入し、実質的な変動相場制に移行したことを指します。2005年以降に変動相場制に移行したということからわかるように、2005年までは事実上の固定相場制が採用されていました。

1997年から2005年までの期間、人民元のレートは対ドルで1ドル8.28元前後にほぼ維持されており、事実上の固定相場制(ドルペッグ制)となっていました。しかし2005年7月に発表された人民元切り上げではこの1ドル=8.28元という固定レートを1ドル=8.11元に引き上げ、変動幅を前日比で最大0.3%までとする政策へ移行しました。前日比で0.3%の変動が許容されるということは一方的な上昇・下落が起こりうるため、事実上の変動相場制への移行したことになります。

また2005年以降、併せて導入された通貨バスケット制では従来の米ドルのみとのペッグ制から、米ドル・円・ユーロ・ウォンなど複数の通貨をある比率で加重平均して算出されたデータを基に、為替レート変動幅を抑制するという管理通貨制度に移行しています。一般的に通貨バスケット制では、貿易相手国との取引量・金額などに応じて比重が決定されますが、中国当局の発表では通貨配分の割合は明確にされていません。

変動相場制や通貨バスケット制などの人民元切り上げ議論は結局のところ何が問題なのかというと、人民元が他国の通貨に対して過度に割安であるということです。中国は昨今生産能力の急激な上昇により、貿易相手国(アメリカ、日本、ユーロなど)から見た場合に大幅な貿易赤字の原因となっています。一般的に通貨安の国は輸出が有利で、通貨高の国は輸入が有利です。アメリカなどは中国への貿易依存度が高く中国から多くの製品を輸入しているため、現状の割安な人民元レートにより多大な貿易赤字を生んでいるのです。

本来的には市場原理により是正される為替レートですが、最近まで中国が固定相場を導入していたためアメリカなどの貿易相手国の政治的な歩み寄りが過熱したということになります。固定相場のレートが中国に与える貿易上のメリットが大きすぎると、諸外国からすると自国の貿易上不利益を被るため、国際問題として中国の固定相場の是正へと動いたというのが現状です。

FXにおける人民元についてですが、当然現状の人民元切り上げ問題について順当に進めば人民元が高くなることは必至です。今後は人民元の柔軟性を高めて貿易格差を埋めて方向に進むのかと思います。上記のグラフ(USD/CNY)のグラフを見て頂くとわかりますが、2005年の変動相場制・通貨バスケット制を導入移行後は一方方向の人民元高が進んでいます。今後の人民元切り上げ問題が過熱すればするほどこの傾向が高まると予想されます。人民元を扱うFX業者は少ないですが手数料無料でスプレッド4銭のひまわり証券 が人気です。その他、かざか証券 なども取り扱いがあります。