今回のテーマは「ユーロ圏・金利動向」についてです。

欧州政策金利決定会合では事前予想通り4.25%での据え置きが決定されましたがその後のトリシェ総裁の会見では景気減速懸念や金融不安を背景にしたハト派な発言が目立ちました。

今回のブログでは現在のユーロ圏の金利動向について取り上げます。まずはユーロ圏の政策金利の推移を見てみます。

2006年は2.25%であったユーロ圏の政策金利は景気・物価の上昇を受け利上げが続き2008年10月時点で4.25%まで上昇しています。

大きな流れとしては2007年7月までは景気・物価の上昇を受けて利上げ、その後は世界的な金融市場の不安定な情勢を受け利上げ見送り、2008年6月に消費者物価の上昇を受け追加利上げという流れです。

以下は2006年以降のユーロ圏消費者物価指数前年比のデータです。

上記の消費者物価指数の動向を見ると2008年7月には4%台に乗せるなど特に2007年後半からは上昇傾向にあることがわかります。

これまでのユーロ圏の利上げ観測の高まりは消費者物価指数の上昇がその要因として大きく作用していたために、現状の市場の傾向としては消費者物価指数の先行きがユーロ圏の金利動向を見極める上で非常に重要になってきています。

物価関連指標・要仁発言には大きく反応するケースが増えています 。

今回の欧州政策金利決定会合後のトリシェ総裁の発言で注目が集まったのも物価に対する言及で、「物価安定のために必要な事を行う」と引き続き物価安定措置の必要性に触れた上で「18ケ月以内に物価安定が実現する」と中期的な見通しとしては物価安定のシナリオが公開されると、市場は大きくユーロ売りに反応しました。対ドルで約1年ぶりの1.4000台割れの水準まで下落しました。

今後のユーロ圏の金利動向としては上記の物価指数の動向に加えて金融機関の経営不安、欧州市場の金融不安など利下げ要因として出てきています。これらの要因は米国の事例と同じく通貨当局が景気・物価などの動向に加えて金利決定の要因として重視するケースが多いため、今後は全体的なリスクレベルが明確化されるまでは市場に影響を及ぼしてくるでしょう。

ユーロ圏の金利動向に関しては指標発表等をメルマガで随時取り上げていきます。